あらすじ
月軌道上に出現した未知の天体《棺》。
人類滅亡まで、あと三十日――。
絶望と諦めに支配された世界で、榊悠真は幼なじみの看護師、冬城真白と残された日常を過ごしていた。
しかし《棺》がもたらしたのは、世界の終わりだけではなかった。
「誰かを強く想う人間ほど、自我が崩壊していく」という、あまりにも残酷な精神の災害。
大切な人を忘れたくないという祈りそのものが、自らを壊していく皮肉なルール。
刻一刻と迫る終末の中で、二人は過酷な選択を迫られることになる。
――その想いは交錯し、すれ違う。
それでも互いを思いあう心が確かに運命を動かし、やがて切なくも美しい、一つの答えへと辿り着く。