あらすじ
誰もが認める優等生の香坂律。
ある日、担任でもある数学教師の杏西行長の資料の中から数学最大の難問である「リーマン予想」の本を見つける。リーマンを語る杏西の熱に惹かれ、個人授業を受けることになる律。リーマン予想と素数の孤独を通じて、いつしか律は杏西に恋をする。
一方、大学生の浦安朝寛は、ひょんなことから旧友である哲平の妹の律に構うようになる。優等生の仮面の下にいる普通の女の子としての律に、妹みたいなものと言い聞かせながら惹かれていく浦安。
三者の想いが交わるとき、悪意と憎悪が律を貶める。
論理で守る杏西と、安心を与える浦安。
追い詰められた先で、律は決意する。
*登場人物*
香坂 律(こうさか りつ)
名門である私立明成女子高校二年生。成績優秀で品行方正な優等生であり特待生。生徒会副会長を務める。本が好きで背が高いのがコンプレックス。
杏西 行長(あんざい ゆきなが)
新任の数学教師で律のクラス担任。跳ねた寝癖と分厚い眼鏡が特長の頼りない雰囲気の教師。数学者になる夢を諦めて教師になった。専門は整数論、リーマン予想。
浦安 朝寛(うらやす ともひろ)
律の兄である哲平の旧友。警察官を志し、法学部で学ぶ大学生。ガソリンスタンドでバイト中。趣味はバイク。
香坂 哲平(こうさか てっぺい)
香坂家次男。律の兄であり、浦安の旧友。プロのバイクレーサーを目指し日々レースに参加しながらバイトに明け暮れる。
香坂 修平(こうさか しゅうへい)
香坂家長男。律の兄。実家の「香坂自動車整備」で整備士として働いている。
花村 かれん(はなむら かれん)
明成女子高二年生。律の隣のクラスで、生徒会会長。恵まれた容姿と明るい性格で友達が多い。
中越 鈴佳(なかごし すずか)
杏西の同期で国語教師。容姿と年齢に似合わない落ち着いた雰囲気で生徒たちのお姉さん的存在。
※参考文献
[1]リーマン予想とはなにか 中村 亨 講談社 2015年
[2]数学ガール リーマン予想 結城 浩 SBクリエイティブ 2025年
[3]素数の音楽 マーカス・デュ・ソートイ 冨永 星 訳 新潮社 2005年