あらすじ

桜花(さくらばな)学園では、学年成績の掲示板をいつも独占している三つの名前があった。 暁月 春影(あかつきしゅんえい)、成績以外取り立てて目立たない、ごく普通の生徒。 眼鏡をかけて、髪も適当で、顔が半分隠れているくらいだ。 学校に行って、授業を受けて、チャイムが鳴ったら帰る。 いわゆる「帰宅部」タイプだ。 だが、【家】ではまだ誰も知らない、秘密がある。 瑞木 春花(みずきはるな)、2年1組のクラス委員長。黒い三つ編みの髪に、眼鏡。 控えめで物静かな、真面目な女子生徒。教師やクラスメイトから、よく頼りにされている。 いわば、優等生。 しかし、まだ誰にも知られていない彼女の【顔】には、秘密がある。 二人は、試験の時期にだけ名前が上がる程度で、どこにでもいる生徒だった。 ぼっちというわけでわないが、学校中に顔が広いタイプでもない。 それとは対照的なのが、朝日奈 光雪(あさひなこゆき)。 成績優秀なだけでなく、整った容姿に太陽色の長い髪。 朝日奈 光雪は、極端な言い方をすれば、クラスメイトとの関わり方に偏りがある。 女子には柔らかく接する一方で、男子にはどこか冷たい態度を取る。 言ってしまえば、男嫌い。 そんな少女には、誰も知らない、彼女だけの【思い出】の秘密がある。 普通であれば、そんな男子生徒は誰の口にも上らない。 普通であれば、そんな凡庸なクラス委員は誰の視線も集められない。 普通であれば、そんな男嫌いが、男に寄りかかることなどありえない。 普通であれば、掲示板に名前が並ぶ以外、三人ともお互いに接点はない……はず。 これは、三つの秘密が巡り会い、絡み合っていく物語。

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カクヨム
カクヨム2026/06/20
  • 現在の作品二つの月に照らされた光、朝日の影に隠されても美しい