あらすじ
鳥のヒナを助けようとして崖から転落した近藤琉夏。死んだと思った次の瞬間、彼は巨大な鳥の巣の中で目を覚ます。
しかも、産まれたばかりのヒナらしい。
最初こそトカゲやカエルを餌にする生活に絶望したものの、猛烈な空腹の前では好き嫌いを言っていられない。トカゲだろうがカエルだろうが、生きるためなら何でも食う。そんな勢いで兄弟たちとの餌の奪い合いが勃発。
ところが、餌を誰よりも食べていたはずなのに、自分だけ身体が大きくならない。羽も生えない。やがて兄弟たちは成長し、自分だけが取り残されていく。
餌を奪われ、寝床から追い出され、それでも食べ残しを漁りながら必死に生き延びる琉夏。そんなある日、巣に現れた巨大な蛇が兄弟へ襲い掛かった。
助ける義理なんてない。今まで散々いじめられてきた相手だ。それでも目の前で食われるのを見捨てることができず、琉夏は命懸けで蛇へ突撃する。
しかし、ようやく救った兄弟たちから返ってきたのは感謝ではなく裏切りだった。
異質な者は排除される。
弱い者は切り捨てられる。
弱肉強食の空で始まる、一羽の小さなヒナの生存物語。