あらすじ

見上げる冬の星空はとても美しかった。都市で見る空の何倍も美しい。たくさんの星が夜空で輝きを放っている。空はいつもよりも高く、空気は透明だった。 そこには巨大な月があった。白く輝く美しい球体があった。その球体に星の目は釘付けになる。明るい夜。とても素敵な予感がする夜だ。 森は濃い緑色の葉を生い茂らせていた。木の幹は太くて大きい。大地は焦げ茶色。そこには一本の獣道がある。数日前に雨でも降ったのか、森の草木は水気を帯びている。霧のような白い靄が浮かんでいる場所がある。 吐く息は白く、空気は凍えるように冷たい。今は冬だ。そういえば私が海と初めて出会った日も、こんな寒くて暗い冬の日だった。そんなことを本田星は久しぶりに思い出す。 「海、待っててね」 そう呟いてから星は夜空から視線を戻し、再び暗い冬の森の中を歩き出した。星はいつものように『一人』で、森の中を歩いている。

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小説を読もう2026/06/20
  • 現在の作品いじわるな魚と迷子の星。(再掲載)