あらすじ

「冬青先輩のことが好きです。でも、人と話すのが怖くて」 放課後の部室で、梵墨恋満(ぼんぼく・れんま)は震える声で、夜夢花城(やむ・かじょう)にそう告げた。――それは普通の告白で終わるはずだったのに、思いがけない頼みごとで幕を閉じるのだった。 「お願い……私が冬青先輩に振り向いてもらえるように、手伝ってほしいの」 彼女は、誰もが思わず振り返るほどの美貌の持ち主でありながら、人と目を合わせることさえできなかった。 彼はかつて、まったく目立たない男子生徒だった。憧れの子のために必死に自分を変えようとしたが、結局は失敗に終わった。 梵墨を見たとき、彼は昔の自分を見た気がした――不器用で臆病で、それでも諦めきれなかった、あの頃の自分を。 こうして、残り五か月という期限つきの、不可能に思える作戦が、静かに動き出した。 第一段階:普通に会話ができるようになること。 第二段階:小さなグループに溶け込むこと。 第三段階:あのまばゆいばかりの冬青衛矛(ふゆあお・えぼ)に近づくこと。 ――そして、その前に彼を誰にも奪われないようにすること。 「どうしてそこまでしてくれるの? バカじゃないの?」 「たぶんね。君が、昔の僕にあまりにも似ているからさ」 これは、変化と勇気の物語。

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カクヨム2026/06/19
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