あらすじ
発酵学を学ぶ大学院生・九条朔は、祖母の死をきっかけに十年ぶりに故郷の菌守村へ戻った。
そこはオメガのフェロモンが「発酵香」として現れる特殊な村。
醤油、酒、酢――高貴な香りを持つオメガが尊ばれる中、朔の香りは「味噌」。
低俗な香りとして蔑まれ、幼い頃から村で疎まれてきた。
しかし帰郷した朔を待っていたのは、村を統べる神職アルファ・神代伊織からの突然の求婚だった。
「お前は俺の番だ」
拒絶する朔だったが、村の地下で眠る巨大菌糸体が彼にだけ反応する。
やがて明かされるのは、朔の身体に宿る“神の菌”。
そして村が百年ごとに繰り返してきた、残酷な共生儀式の真実――。
運命の番なんていらない。
神にもなりたくない。
それでも彼だけは、何があっても俺を離してくれなかった。
発酵香が結ぶ、異色のオメガバース・ラブストーリー。