あらすじ
退役して十五年、係留された砕氷艦。だがその鉄には、動いていた頃の記憶が宿っている。
ある朝、北海道を未曾有の地震が襲う。津波が運んだ流氷に閉ざされ、孤立した集落に、四百四十五名が取り残された。陸路は寸断、吹雪に空は閉ざされ、救援に向かった砕氷巡視船も流氷帯で遭難する。
砕氷能力を持つ船は、もう、この一隻しか残されていなかった。
呼ばれたとき、仲間が集まった。退役した艦長。船を造った技師。元機関長。そして、若い隊員たち。
動けと言われれば、船は動く。
SHIRASEは、北の海へ向かった。果たすべき使命のために。