あらすじ
夜の波止場に集められた瀬名蒼汰たち同世代の若者たち。
彼らを乗せて暗黒の海へ出航したのは、至る所がツギハギだらけの赤錆びた巨大な老朽船だった。
「誰かが決めたルールの中で誰か一人が生き残る、そんな幸福な殺し合いの時代は終わりました」
突如として流れた無機質な船内放送は、ルールもゴールも提示しないまま、ただ一つの残酷な命題を突きつける。
沈みゆくこの船で、生き残るために「助け合い」なさい、と。
戸惑いの中、クラスメイトの朝倉陽彩を中心に協力を試みる生徒たち。しかし、嵐による浸水、漏電、崩落という容赦のない物理的な死の恐怖が迫った時、その薄っぺらい綺麗事は一瞬にして崩壊する。
自分が感電して死ぬリスクを負ってまで、水に落ちていく仲間に手を伸ばせるのか?
自分が助かるために、見殺しにする道を選べるのか?
「以前のゲームの生き残り」であり、生存確率だけを冷酷に弾き出す少年・九条征真の存在が、彼らの剥き出しのエゴを次々と暴き出していく。
殺し合いを強いられるより遥かに残酷な「見殺し」の連鎖の中、蒼汰は自分自身の奥底に潜む醜い本性と直面することになる。
息詰まる極限の心理サバイバル。正解も、ゴールも与えられない極限状況の中で、人は何を信じ、何を選ぶのか。