あらすじ
高校二年生の朝霧湊は、夏の夜の散歩が好きだった。
ある月のない夜。 町外れの森で道に迷った彼は、古い洋館――月白館へたどり着く。
そこで出会ったのは、白い花に囲まれた少女、白花澄月。
彼女は学校にもほとんど来ず、町では「森の魔女」と呼ばれていた。
枯れた花を咲かせる。 風に言葉を運ばせる。 失くしたものを見つける。
そんな小さな魔法を使う澄月との出会いをきっかけに、湊の日常は少しずつ変わり始める。
放課後の紅茶。 静かな庭。 夏祭り。 図書館で過ごす時間。
けれど、湊はまだ知らない。
澄月が何十年も変わらない姿で生き続けていることを。
そして彼女が、誰よりも「来年」を恐れていることを。
これは、 終わることのできる少年と、 終わることのできない少女の、
ひと夏の物語。