あらすじ
「若くないのに、こんな無理させやがって……。でもまぁ、落ち込んでても腹は減るよな」
大手配信事務所を理不尽にクビになった万年Dランクのおっさん・ジン。
彼は生きるため、型落ち機材でソロダンジョン配信を始める。喋りは不器用、肉体も衰え気味。画面に映るのは、悲鳴を上げて逃げ惑う情けないおっさんの姿だけ。
――しかし、世界は知らなかった。
おっさんが逃げながら「小石を蹴り」「盾を投げた」そのすべての行動が、モンスターを自滅させる狂気的な『ミリ単位のピタゴラ計算』だったということを。
「世界一運の良いおっさん」として、本人の預かり知らぬところで大バズりしていくジン。
だが、その配信を画面の向こうで凝視し、涙を流す一人の女性がいた。
それは、数多のイケメンや大富豪からの求婚をすべて一蹴してきた、世界トップの美女インフルエンサー・ミア。
「見つけた……。私の人生を救ってくれた、あの完璧なプロデュース。もう二度と逃がしませんからね、先輩?」
自分のブランドイメージを気にして必死に逃げるおっさんと、圧倒的な財力と権力(と赤スパ)で外堀を埋めていく重すぎる美女。
これは、世間からは「強運の癒やし系おっさん」、裏では「冷徹な天才戦略家」な男が、知らぬ間に世界を掌握していく物語。