あらすじ
舞台は誰もが基礎的な妖術を扱える、文明開化の明治時代。 勇敢で発想豊かなお嬢さん・葵と、普段は明るい陽キャだが葵のためならすべてを呪い殺す狂気を秘めた少年・正一は、「ただの『棒状の物』でも、魔力を通せば本物の刀と同じように触媒として術を増幅できるのでは?」という葵の思いつきの実験のため、鍛冶屋の裏の路地へと向かう。
実験中、二人は異形の妖「百々目鬼(どどめき)」の襲撃に遭遇。葵が拾った鉄の棒で術を大増幅させて撃退するが、消滅した妖の残骸から、城の武士しか持たぬはずの不気味な【刀の鍔(つば)】が見つかる。
街で出会った武士たちと共に調査を進める中で、葵が新たな妖に連れ去られそうになり、正一の容赦なき呪殺術が覚醒。一行は逃げる妖を追い、すべての元凶が眠る城の不気味な地下道へと突入する。
地下の最奥で待ち受けていたのは、絶対的な権力者である「殿様」が、自らの娯楽と魔力増幅のために部下たちを「水攻め」や「石抱責(いしだきぜめ)」にかけるおぞましき拷問部屋だった。極限の絶望を与えて部下を百々目鬼へと変貌させていたのだ。 無数の妖が這い出る大乱戦の中、怒りに燃える武士たちが先陣を切り、葵の操る無数の獣が敵を包囲、そこへ正一の冷酷な蟲毒(こどく)の呪いが炸裂する。
完璧なコンビネーションで地獄の部屋を壊滅させ、自らの呪いに喰われていく殿様を背に、二人はいつもの笑顔に戻り、寄り添いながら新しい時代への帰路に就くのだった