あらすじ

望月千春と別れて三年目。 俺は銀座の慈善オークション会場で、何の準備もないまま彼女と再会した。 彼女は最前列のVIP席に座っていた。シャンパン色のドレスをまとい、耳元のダイヤが ライトの下で冷たく光っている。 今の彼女は、鷹宮財団の御曹司、鷹宮啓介の妻だった。誰もが羨む鷹宮夫人であり、俺はオークション会場の入口に立つ臨時雇いの警備員にすぎなかった。 着ている制服も先輩から借りたものだ。袖口には、洗っても落ちない古い汚れが残っていた。 オークションの目玉商品が運び込まれた瞬間、俺はその場で固まった。 それは、一体の木彫だった。 俺がかつて千春のために彫った作品――「月華」だった。

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小説を読もう2026/06/19
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