あらすじ
皇后は、誰に殺されたのか。
毒を盛った者はいる。
命じた者もいる。
だが、それだけでは彼女は死ななかった。
すべての始まりは、十二年前。
屠場で働く少女サルカは、人買いにさらわれた妹を奪い返す。
犯人が持っていたのは、役所の本物の印が押された偽造証文だった。
なぜ、国の役人が人買いに手を貸したのか。
なぜ、その証文の裏には、のちに皇后となるナユラの小さな印が残されていたのか。
妹を奪われ、女侠となり、やがて戦場で将軍となったサルカ。
一方、後宮に入ったナユラは、誰にも知られぬまま帝国の不正を記録し続けていた。
そして十二年後、皇后は毒殺される。
死の真相を追うサルカの前で、別々に見えた事件が一つにつながり始める。
人身売買。
飢饉。
戦争。
失われた記録。
消えた護衛。
毒を盛った者を捕らえても、事件は終わらない。
調べるほど、皇后を死へ追いやった者の数は増えていく。
一人の皇后の死から、帝国のすべてが暴かれていく。
十二年の歳月と無数の人生を貫く、中華後宮・国家ミステリーファンタジー。