あらすじ
あらすじ
姉・千春の結婚式当日。
弟の如月恒一は、幸せそうに笑う家族を見ながら、どこか落ち着かない気持ちを抱えていた。
その時、恒一の前に現れたのは、手のひらサイズの御代理様とお雛様の付喪神。
二人が告げたのは――
実家のひな人形が、長年片付けられていないこと。
そして、このままでは“終わらない祝い”が災いへ変わり、姉の結婚が破綻するという事実だった。
式場で次々起こる不吉なトラブル。
止まらない悪い偶然。
誰にも知られないまま、恒一は実家へ向かう。
それは、
姉の幸せを守るための、
少し不思議で、
少し寂しい、
春の後片付けの物語。
登場人物
# 如月 恒一(きさらぎ こういち)
本作の主人公。
千春の弟。
穏やかで優しい性格だが、
どこか受け身で、自分の感情を飲み込む癖がある。
姉の結婚を心から祝福している一方、
「家族の時間が終わってしまうこと」への寂しさを抱えている。
結婚式当日、
ひな人形の付喪神たちと共に、
実家へ向かうことになる。
# 如月 千春(きさらぎ ちはる)
恒一の姉。
結婚式当日の花嫁。
明るく面倒見が良く、
昔から家族の中心にいた存在。
幼い頃からひな祭りが大好きで、
毎年家族と雛壇を飾っていた。
結婚準備に追われる中、
実家のひな人形が片付けられていないことを忘れている。
# 代理(だいり)
御代理様の付喪神。
黒い髪と金色の瞳を持つ、
小さな平安装束姿の存在。
真面目で堅物。
礼儀や“節目”を重んじる。
祝い事には、
「終わらせること」も必要だと考えており、
歪み始めた雛壇を危険視している。
厳しい態度を取ることも多いが、
根底には人間への優しさを持っている。
# 雛(ひいな)
お雛様の付喪神。
桃色の着物を纏った、
春の妖精のような少女。
明るく感情豊かで、
人間が大好き。
特に千春と恒一のことを、
昔から見守ってきた。
別れを少し苦手としており、
「終わる寂しさ」を誰より理解している。
結婚式当日。
弟の前に現れたのは、
実家の雛壇に宿る小さな付喪神たちだった。
「このままでは、お姉ちゃんの結婚が壊れる」
原因は、
長年片付けられていないひな人形。
誰にも知られないまま、
弟は実家へ向かう。
止まった春。
終われない祝い。
そして、家族の時間。
これは、
“片付けること”で前へ進む人たちを描いた、
和風ファンタジー短編。