あらすじ
覚醒者が国民の七割を占める時代——日本。十六夜皐月(いざよい さつき)、高校二年生、十七歳。由緒ある覚醒者一族に生まれながら、ひとりだけ「未覚醒」の落ちこぼれだ。
父には失望され、クラスメイトには笑われ、そして今日、幼馴染で覚醒者エリートの恋人・藤堂颯人から全校生徒の前で宣告された。
「お前とは、もう釣り合わない」
だがその言葉が終わった瞬間——皐月の奥底で、何かが音を立てて砕けた。
溢れ出す記憶。前世の皐月は、異界の最強神官長「サーシャ・アルヴィン」。神をも従えた究極の術士だった。現代の「覚醒能力」など、子供の手遊びに過ぎない——その膨大な力と知識が、封印から解き放たれる。
「ああ。ようやく、取り戻せた」
静かに微笑む皐月に、颯人たちは凍りついた。
もう遅い。皐月は振り返らない。前世で守れなかった者たちへの贖罪のため、そしてこの現代に忍び込む「名もなき災厄」に立ち向かうために——
最強の神官長が、女子高生として覚醒する。