あらすじ
ここで生きるために、ここへ来た。
ジュヒは、初声を上げた瞬間から『悪魔の種』と呼ばれた。
ジヨンは、都市から現れ、自らを狩人と名乗ったベクホに抱かれ、3-8村へ連れてこられた。
3-8村では、誰も外へ出られない。
北には、鉄壁に閉ざされた都市がある。
人類最後の聖域として崇められる場所。
南には、REウイルスに濡れた森がある。
足を踏み入れた人間は血を吐き、変異し、死ぬと言われている場所。
その狭間に、3-8村がある。
村人たちはそこで生きていた。
穀物。
労働。
沈黙。
それらを貢納として差し出し、どうにか明日を繋いでいた。
だが、収穫が足りなかった時。
都市は影を送る。
影は穀物を持ち帰らない。
持ち帰るのは、人の首だった。
ダヨンの娘であるジュヒは、母が生きて戻った夜の罪を背負わされ、
囁きと憎しみと恐怖の中で育っていく。
ベクホに連れられて村へ来たジヨンは、その隣で育ちながら、
村の誰も口にできない問いを抱き始める。
なぜ、都市は村に貢納を求めるのか。
なぜ、学校へ行った者は誰も戻らないのか。
なぜ、都市に命じられて動く影が、怪物と呼ばれているのか。
そして、森が本当に死を意味するのなら。
なぜ誰も、
それを確かめられることを恐れているのか。
やがてジュヒとジヨンは、
自分たちを囲む世界の綻びに気づいていく。
森。
鉄壁。
学校。
都市。
そして、すべてを繋ぎ止めている嘘。
二人は檻を受け継ぐはずだった。
けれど彼女たちは、
外へ出る道を探し始める。
三十年後。
雨の中、数千の市民の前で、一人の囚人が膝をつく。
罪状は、都市秩序の破壊。
市長は告白を求める。
囚人は笑った。
そして、血を吐きつけた。
なぜその刃が振り下ろされたのかを知るには、
3-8村へ戻らなければならない。
『悪魔の種』と呼ばれた少女へ。
都市から現れ、自らを狩人と名乗った男の娘へ。
そして、世界を揺るがす脱出劇の始まりへ。
これは、滅びた世界で帰る場所を探す物語。
残酷な世界の中に、小さな温もりを灯す Cozy-POADY。