あらすじ
雨の日を「残念な日」で終わらせたくない――。
ホテル勤務の桐谷紗月は、宿泊客が“未来の自分へ手紙を書く”雨の日限定プランを企画していた。
ある日、そのホテルを訪れたのは、世界を旅する写真家・佐伯蓮。
彼は亡き恋人・香澄への想いを抱えたまま、帰る場所を持てずに生きていた。
雨の日に始まった二人の出会いは、やがて“帰る場所”の意味を変えていく。
雨音カフェ、霧に包まれた北海道の海、小さな作業場、並んだ二つのマグカップ――。
過去を消すのではなく、抱えたまま未来へ進むこと。
見えなくても、そこにある想いを信じること。
これは、喪失と孤独を抱えた二人が、雨の向こうで静かな幸せを見つけていく再生の物語。