あらすじ
「この愛しい世界を守れるなら、私は喜んで悪役になりますわ」
クライスハルト公爵令嬢セレフィアには、誰にも言えない秘密があった。
それは、この世界が『物語詩』という脚本によって成り立つ舞台であり、自分がその世界のバグである『歪み』を喰らい、最終的に婚約破棄されて破滅することで世界を救う『物語喰い』であるということ。
命を削りながら完璧な悪役令嬢を演じ、ヒロインを陰ながら守り続けるセレフィア。
しかし、その硝子細工のような冷たい仮面の下に隠された深い孤独と自己犠牲に、ただ一人だけ気づいた男がいた。
平民上がりの若き天才騎士団長、ゼノン・アシュヴァール。
「君の背負う荷物を、半分でいい、俺に背負わせてくれないか」
冷徹なはずの彼が向ける異常なまでの執着と優しさに、セレフィアの決意は揺らいでいく。
しかし、悪役令嬢と騎士が結ばれるなど、物語の脚本にはない最大のタブーだった。
ゼノンの愛が世界の崩壊の引き金を引くとき、セレフィアはすべてを救うために最後の奇跡を起こす――。
記憶を失くした世界で、君だけを探し続ける。
自己犠牲の悪役令嬢と、彼女の共犯者となった騎士が紡ぐ、究極の純愛ファンタジー!
【登場人物紹介】
◇セレフィア・フォン・クライスハルト
本作の主人公。
クライスハルト公爵家の令嬢で、王太子アレクシスの婚約者。
転生者であり、自らが破滅することで世界を救うという使命を背負っている。
そのため、常に冷静沈着で気高い悪役令嬢を演じているが、その仮面の下には深い孤独と世界への慈しみを隠している。
◇ゼノン・アシュヴァール
魔法騎士団の若き団長。
平民出身ながら、類まれな剣才と魔力でその地位までのし上がった実力者。
鋭い洞察力を持ち、誰もが非難するセレフィアの行動の裏に隠された真意にいち早く気づき、彼女の孤独な戦いを支えようと決意する。
◇リリアナ・ミスト
物語のヒロイン。
男爵家の出身で、聖なる魔力を持つ心優しき少女。
その純粋さゆえに、王太子アレクシスをはじめとした攻略対象者たちを魅了していくが、彼女自身もまた、この世界の大きな物語に翻弄される存在。
◇アレクシス・エル・ローゼンハイム
王国の第一王子で、セレフィアの婚約者。
物語の筋書き通りにヒロインであるリリアナに惹かれ、セレフィアを敵視する。
プライドが高く、物事の表面しか見ようとしない典型的な王子様。