あらすじ
前世で強盗、殺人、暴力の限りを尽くし、最後は警官との撃ち合いで死んだ男。
だが、死の間際に現れた女神は彼を救うどころか、罰として異世界へ送り込む。
そこは、文明も秩序も希望も失われた終末世界――
ロストワールド。
さらに男には、ひとつの呪いが刻まれていた。
悪事に手を染めれば、その魂は永遠の牢獄へ堕ちる。
奪えない。
殺せない。
犯せない。
踏みにじれない。
かつて力で全てを奪ってきた男は、悪人だらけの地獄で、悪人として生きることを禁じられる。
そんな彼が手にしたのは、転移直後に拾った一本の折れ刃の刀。
村を襲う略奪者集団《ロストライダーズ》。
人を壊し、奪い、笑う終末の暴力。
その標的にされたハーフエルフの少女シエルと、その妹アンナ。
男は善意ではなく、怒りでもなく、ただ自分の生存のために刃を振るう。
だが、守った少女たちの涙が、感謝が、彼の中に初めて“違和感”を生む。
奪うことしか知らなかった男は、守ることを知る。
壊すことしか知らなかった男は、誰かのために戦う意味を知る。
やがて彼の前には、ロストライダーズの首領アイザック、終末を崇める《終焉教団》、亡国の王女ローズ、白狼騎士団の生き残りエルフィー、そして世界消失の真実が立ちはだかる。
これは英雄譚ではない。
悪人だった男が、善人になりきれないまま、
それでも理不尽な終末世界を叩き壊していく物語。
終末世界の壊し方。
その答えは、たったひとつ。
――暴力で、終末そのものをぶっ壊す。