あらすじ
王国騎士団副団長ジーク・ヴァイスは、バツイチの堅物騎士。
宮廷画家エステル・グランもまた、一度結婚に失敗した過去を持つ仕事人間だった。
そんな二人が任されたのは、自由奔放すぎる第三王子ルシアンの教育係。
しかし王子は剣術も肖像画もすぐに抜け出し、向かう先はだいたい厨房。
焼き菓子と騒ぎの中心にいる問題児だった。
仕事に振り回されるうち、二人は少しずつどうでもいい会話を交わすようになる。
靴が濡れた、菓子パンはいくつ食べる、夕飯は何にする──そんな他愛もないやり取り。
やがて王子の「側室に望む」という一言が宮廷を揺らし、二人はそれぞれ辞表を手にすることに。
そして気づけば、同じ廊下で立ち止まっていた。
これは、劇的な逆転でも溺愛でもない。
大人になってから始まる、“静かなやり直し”の物語。