あらすじ

二十五歳の「私」には、誰にも言えない秘密の趣味がある。 それは、一人で誰もいないキャンプ場へ赴き、漆黒の闇の中で、脂の滴る「新鮮な肉」を焼いて喰らうこと。 肉を求める衝動に突き動かされるたび、私の脳裏には十年前の――中学三年生の夏休みの記憶が鮮烈に蘇る。 突然母親に連れられ、新幹線とフェリーを乗り継いでたどり着いた、鹿児島にある離島。そこには、病床で臨終の時を待つ祖母がいた。 祖母が息を引き取った瞬間、不気味なほど静まり返る古い日本家屋で始まったのは、おぞましき血の儀式。 あの日、私の脳の何かが完全に書き換えられてしまった。 現在、ソロキャンプを楽しむ私の手元には、焚き火でじっくりと炙られる、じわりと透明な脂をあふれさせる大きな塊肉がある。 「なぜ、これほど新鮮な肉を、一人きりの山奥で焼いているのか」 「なぜ、一般的なスーパーでは決して見かけないほどの、瑞々しい色をしているのか」 読者がその【本当の理由】に気がついた時、この物語は単なる追憶のホラーから、現在進行形の底なしの恐怖へと変貌する――

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カクヨム
カクヨム2026/05/27
  • 現在の作品人喰い村