あらすじ
公爵令嬢セシリアは、ある日「自分が悪役令嬢と噂されている」と知ってしまう。
心当たりは、ありすぎた。
噴水に馬で突っ込んだ。禁書庫に忍び込んだ。気に入らない貴族を笑顔で黙らせた。たしかに清楚可憐な令嬢とは言いがたい。
ならば、いっそ悪役令嬢らしく振る舞おう。
そう決意したセシリアは、婚約者である王太子アレクシス殿下のもとへ意気揚々と突撃し、堂々と宣言する。
「殿下、わたくし、あなたとの婚約を破棄いたします!」
紅茶を吹き出す殿下。失神する侍女。騒然とする王宮。
しかしセシリアは知らなかった。
悪役令嬢とは基本的に、婚約破棄を“する側”ではなく、“される側”であることを。
勘違いから始まった婚約破棄騒動は、殿下の頭痛と侍女の絶叫と王女リーナの悪ノリによって、王宮中を巻き込む大騒ぎへ発展していく。