あらすじ
春野莉子は、誰にでも優しい。
クラスメイトに頼まれれば笑って引き受ける。
欲しかったものでも、「私はいいよ」と譲ってしまう。
そして、好きな人の恋すら応援してしまいそうな、いわゆる“負けヒロイン”体質の幼なじみだった。
文化祭三日前。
莉子が楽しみにしていた特別ペアチケットを、クラスの人気者・朝倉蓮が「春野なら分かってくれると思って」と譲ってほしいと頼んでくる。
教室中が「莉子なら譲るよね」という空気になる中、橘悠真だけが口を挟んだ。
「よくない」
莉子の「いいよ」は、だいたいよくない。
欲しいものほど譲ってしまう彼女を、悠真はもう見ていられなかった。
これは、誰かの恋を応援して終わるはずだった幼なじみを、主人公が全力で“勝ちヒロイン”にする三日間の物語。