あらすじ
「もう、こんな力なんて無くなっちゃえばいいのに」
夜更けの浴室で、シャツに着いた返り血を黙々と洗う。
高校二年生・大和めぐみにとって、それはもう何度目になるか分からない作業だった。
異能。前世の英雄を宿し、超常の力を振るう者たちが社会に潜む世界。
日々の楽しみとしてテレビをつければ異能者の事件が話題を埋め尽くす。
軍からの勧誘の封筒は封を切らずにゴミ箱へ。
そんな日々の中で、めぐみが自分を繋ぎ止めているのは、ただ一人の親友・鈴原香蓮の存在だけだった。
そんな彼女がある日、「めぐちゃんに会いたいって人がいる」と一人の男子生徒を紹介する。
本田ルイ——栗色の髪に幼い顔つきをした、奇妙なほど人懐っこい同級生。そして彼もまた異能者。
彼は告げる。
「君は、ロムルスという男に狙われている」と。
過去の英雄たちが「ゲーム」と呼ばれる儀式で前世のやり直しを賭けて争う、めぐみが知らずに巻き込まれていた渦。連日の襲撃、奪われかける親友の命、何度も突きつけられる「また、人を殺すのか」という問い。そして彼女の内側に棲み、契約という名の鎖を結ぼうとする「自由」を名乗る何か——。
なぜ自分は強くなったのか。誰のために剣を振るうのか。守りたいものを守りきれない焦燥と、過去に犯した「罪」が、彼女を内側から蝕んでいく。
これは、自分のことすら信じられなくなった一人の少女が、殻を破り、世界を見て、ゆっくりと変わっていく物語。
※補助利用としてAI(Claude/Chat GPT)を使用