あらすじ
侯爵令嬢クラリスは、婚約者である第三王子レオンの家庭教師を務めていた。
外交学、歴史、法学、礼法を苦手としていたレオンのため、クラリスは条約文をわかりやすくまとめ、過去の外交失敗例を物語のように教え、礼法の癖を根気強く直してきた。
その結果、レオンの成績は大きく向上する。
しかしレオンは、その成果を「そばで優しく励ましてくれた男爵令嬢ミーナの愛の力」だと言い出した。
「君は厳しいだけだ。僕を変えてくれたのはミーナの優しさだ」
積み重ねてきた指導を否定されたクラリスは、静かに家庭教師を辞任する。
そして迎えた模擬外交試験。
励ましでは条約文は読めず、優しさだけでは歴史も法も礼法も身につかない。
レオンはそこで初めて、自分の成績を支えていたものの正体を知ることになる。
一方クラリスは、彼の補助役ではなく、自らの知性を正当に評価される道へ歩み出す。