あらすじ
【かんたんなあらすじ】
自分の才能に溺れ、楽な人生を送ってきた主人公が凡人に転生し『努力』を知り、泥臭く最強を目指す話。
【本格的なあらすじ】
学力・身体能力・外見のすべてに恵まれ、一切の苦労を知らずに生きてきた「完璧超人」の男がいた。彼は努力や挫折を経験する凡人たちを心の底から見下し、世界は自分を中心に回っていると信じて疑わなかった。しかしある夜、彼に憎悪を抱いた何者かに背後から刺されてしまう。己の過去にぼんやりとした後悔を抱えながら、男は呆気なく息を引き取った。
次に目を覚ますと、そこは異世界だった。
前世の感覚のまま「魔法なんて自分ならすぐに極められるだろう」と高を括っていた彼だったが、待っていたのは過酷な現実だった。
前世なら1年で済んだ言語習得に3年を費やし、身体能力も平凡。極めつけは、初級魔法すら発動できないという、かつて彼が最も見下していた、圧倒的な凡人の器だったのだ。
対照的に、同じ孤児院の幼馴染である銀髪の少女・シエルは、世界の常識を覆す『無詠唱』で魔法を放ち、あらゆる面で規格外の才能を発揮する。まるで前世の自分を見ているかのようなシエルの圧倒的な才能を持つ彼女を前に、クルテスは「俺はもう天才ではない」という絶望的な現実を突きつけられ、退屈で無力な日々に辟易としていく。
そんなある日、迷子になったシエルを探す街角で、彼は黙々と木刀を振るう一人の老人と出会う。
それは、かつて『才能』だけで生きてきた、元天才の男が、初めて自らの意志で泥にまみれ、血を吐くような『努力』を知り、凡人の身のまま最強を追い求める、そんな物語の始まりだった―――。