あらすじ
「普通の家族」が、私には分からない。
高校一年生の仙波萌は、陸上部のエース候補。
けれど夏の大会直前、怪我によって競技人生を大きく狂わされてしまう。
目標を失った夏休み。
苛立ちや孤独を抱え、周囲にもどこか心を閉ざしていた萌は、病院でクラスメート・日高晴人と再会する。
無口で愛想もないのに、不思議なくらい優しい彼。
毎日病院へ通う理由。
笑い声の絶えない家族。
手料理の味。
文化祭のライブ。
“家族の愛”を知らずに育った萌は、戸惑いながらも、少しずつ日高に惹かれていく。
だがそんな中、萌の父が社長を務める自動車会社で大規模リコール問題が発生。
学校でも居場所を失いかけた萌を、日高は静かに支え続ける。
痛みを抱えた二人の距離は、少しずつ、ゆっくり、近づいていく――。
他人にもたれかかることの心地よさ。
誰かを思いやることの尊さ。
そんなことに、少しずつ気付かされていく、少女の成長物語。
★作中に出てくるバンド「ブルージラフ」をもっと見たい!と思ってくださった方へ。
私の別作品『森下動物病院の息子たちは、少しだけ人間じゃなかった』で、彼らのその後が少しだけ登場します。