あらすじ
生まれつき耳が聞こえない高校生・結城 恒一は、eスポーツ部に所属していた。
しかしチーム戦の世界では、音声による連携が当たり前で、彼はいつも一歩遅れてしまう存在だった。
「自分は必要とされていないのではないか」
そう感じながらも、彼は画面の“動き”だけを頼りに試合を見続ける。
ある日気づく。
この世界は「声」ではなく、「視線」「位置」「流れ」で動いていることに。
そして彼は初めて、自分からピンを置く。
――「ここ」
その一手が、止まっていたチームを動かした。
やがて大会決勝戦。
相手は声による連携を武器にする強豪チーム。
だが結城たちは違った。
誰かの声ではなく、“全員が見えている判断”で戦う。
音のない世界で、最も速い判断をするチームへ。
彼らは静かに勝ち上がっていく。
そして少年は気づく。
――音がなくても、戦える。
いや、音がないからこそ、見えるものがある。