あらすじ
牧原悠人はすでに死んでいた。
死後、一つの力が彼を異界——アルヴェナへと引きずり込む。
彼の体は空っぽの抜け殻。胸の奥にある〈核〉だけが、かろうじてその生を繋いでいる。
異常な空間の裂け目に迷い込んだことで、彼は長き眠りについていた剣の住人と出会い、そこから空間の道を歩み始める。
後に、彼は一人の少女に出会い、その者に名前を与えた。
その頃、未知の災厄が世界そのものの存在を蝕みつつあった。呑み込まれた者の痕跡は、ことごとく消え去り、まるで最初からこの世にいなかったかのように消える。
自分を待つあの少女のために。そして、巻き込まれるべきではなかった者たちのために。
彼はその道を選んだ。
世の人々には、彼の執念は理解できなかった。そうして彼は、一つの称号を得る。
「愚者」と。