あらすじ
その図書館の本を開いてはならない。
めくった頁(ページ)から溢れ出すのは、人間の底知れぬ狂気と絶望――。
薄暗く、埃の舞う、世界の片隅の古い図書館。
そこには、漆黒のレースとフリルを身に纏い、感情のない声で独りごちるゴスロリ風の少女がいた。
彼女が冷たい指先で引き抜くのは、いずれも血と涙、そして悍(おぞ)ましい怪異が染みついた「曰く付きの本」ばかり。
愛という名の執着が、死んだはずの妻を海底から這い上がらせる。
理不尽な暴力を振るう男に、ボケた老人が静かな笑顔でカウントダウンを告げる。
一話完結のオムニバス形式で描かれる、奇妙で、美しく、容赦のない恐怖の数々。
しかし、一見バラバラに見える物語の境界線は、静かに、確実に繋がり始めていく……。
人形のような少女が紐解く、終わらない悪夢の目録。
今宵も迷い子の皆さまを、奈落の底へとお連れいたしましょう。