あらすじ
公爵家の嫡男レオナルドから、祝宴の場で婚約破棄を言い渡された貴族令嬢エレナ。
理由は、妹リリアへの「いじめ」だった。
けれど、エレナがリリアに教えていたのは、魔力制御と礼儀作法。貴族の家に嫁ぐなら必要になる、最低限の知識にすぎなかった。
それでもレオナルドは、涙を流すリリアの言葉だけを信じ、エレナを冷たい女と罵る。さらに、魔物討伐で多くの騎士を救ってきたエレナの回復魔術さえ、「金を出せば代わりはいくらでもいる」と軽んじた。
ならば、もう支える理由はない。
エレナは婚約破棄を受け入れる代わりに、公爵家への治療支援をすべて打ち切ると告げる。実は彼女は、王国でただ一人、魔物の毒を浄化できる聖女だったのだ。
屋敷を出ようとしたエレナの前に現れたのは、かつて彼女に命を救われた第二王子アルヴィン。アルヴィンはエレナの力と人柄を正しく評価し、王家の庇護下で聖女として迎えたいと申し出る。
一方、エレナを失った公爵家は、魔物の毒を受けた騎士を救えず窮地に陥る。リリアは泣くだけで何もできず、レオナルドも自分の過ちを認められない。
やがて、聖女を追い出した愚かな行為が露呈し、レオナルドは貴族の爵位を失う。また公爵夫人になるはずだった妹も破滅するのだった。
一方でエレナは、王国唯一の聖女として、第二王子アルヴィンの隣で新しい人生を歩み始める。
これは、婚約者と妹に利用され続けた令嬢が、正当に評価してくれる王子に見初められ、溺愛されながら幸せを掴むまでの物語。