あらすじ
母を亡くして10日後。
20歳のパティシエ、ケリー・ターナーの前に見知らぬ男が現れた。
「私はお前の父だ」
そう名乗る男、ハーヴィー・タリントンは、テシトリラ大陸でも有数の大企業「ハムズスイーツ社」の取締役だった。
世界で初めてチョコレートを生み出した創業者の死を機に、会社では5人の取締役による後継者レースが勃発。
ケリーは自分の店を持つ夢のための資金稼ぎと、「多くの家庭に美味しい菓子を届けたい」という想いを胸に抱いて、相棒のリオ・スコールズと共に、幼い頃に別れた不器用な父のために働き始める。
しかし、手作りケーキのプロが直面したのは、工場生産という全く異なる世界だった。
「生クリーム?輸送で崩れる」
「フルーツ?日持ちしない」
「デコレーション?量産できない」
街のケーキ屋と大量生産の菓子で商売することの違いを思い知らされながら、ケリーは老練なビジネスマンたちと渡り合っていく。
そして、やがて気づく。
後継者候補として用意された席は6つ。
しかし、5人の取締役に対して、1つだけ空いたままの席があることに。
争いの武器は剣ではなく商品。
工場と物流が主戦場となる、資本主義の静かな戦争が始まった。