あらすじ
侯爵令嬢エレナは、王太子アレクシスの婚約者として王太子妃教育を受けながら、王宮舞踏会や外交晩餐会の予算調整を任されていた。
料理、花、楽団、警備、馬車、招待状、燭台。
華やかな王宮行事の裏側には、数え切れない支払いと調整がある。
しかしある日、アレクシスは妹のように可愛がる男爵令嬢リリアへ、エレナの王太子妃教育の予算を回すと告げる。
「君はしっかりしているから、予算がなくても何とかできるだろう」
エレナは反論せず、王宮会計局へ予算責任者の変更を届け出た。
その結果、次の王宮舞踏会に関する請求書と苦情は、すべて王太子とリリアの元へ届くことになる。
舞踏会は金だけではなく、信用と調整で成り立っていた。
エレナを軽んじた二人は、彼女が支えていたものの大きさを思い知る。
これは、誰かの尻拭い役ではなくなった令嬢が、自分の能力を正当に評価される場所へ進む物語。