あらすじ
悪役令嬢。
それは今や、王都で最も人気のある“役柄”だった。
婚約破棄。
公開断罪。
涙ながらのざまぁ劇。
誰もが舞台の上で悪役を演じ、破滅し、喝采を浴びる。
――その流行を作ったのは、私だった。
退屈な貴族社会を壊すため。
つまらない令嬢たちに“華”を与えるため。
私は悪役令嬢を量産した。
高慢な話し方。
扇子の使い方。
嫌味な笑み。
婚約者を奪う手口。
全てを教えた。
けれど、ある日気付いてしまう。
皆は演じていただけだった。
破滅しても笑って次へ進める。
恋をして、友情を築いて、生き直していく。
――私だけを除いて。
嫉妬も、執着も、憎悪も。
全部、本物だった。
これは、悪役令嬢という流行を作った女。
最後に誰からも愛されず破滅する。