あらすじ
古い街道の途中に、忘れられたセーブポイントがある。
苔むした小さな祠。淡く青く光る水晶。
そして、そこに住みつく一匹の猫、セブ。
昔は多くの冒険者が通り、水晶に記録を残していった。
けれど今は新しい街道に人が流れ、古い道を訪れる者はほとんどいない。
そこにいる猫セブだけが、かつてこの場所から旅立った者たちを覚えている。
老いてから、昔の約束を果たそうとした老人。
強く見せる鎧の下で、本当は怖いと震えていた女戦士。
何度も戻りながら、怖かった道を地図に残し続けた少年エッジ。
彼らは何度も立ち止まり、何度も戻ってきた。
それでも、やがて彼らは、戻ってこなくなる。
年月の果てに、その足跡は形を変え、街の昔話や、勇者と呼ばれる者たちの伝承へと繋がっていった。
けれど、セブだけは知っている。
彼らが伝説になる前、怖がり、迷い、震えながら、それでも歩き出したことを。
これは、冒険の勝利ではなく、旅立つ前の弱さを見てきた、猫の物語。
忘れられた街道のセーブポイントに、今日も、猫はいる。
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Caitaの『猫好き集まれ🐾 猫好きアンソロジー』に寄稿した、短編作品です。