あらすじ
こちらはオネエ様は女神様の中編になります。
亜香音は手に持っていた蝉の抜け殻を見せて、グシャリと握りつぶした。
「今の私はいつかこのようになる」
亜香音は助けを求めている。
倉橋亜香音は中学一年生だ。今は夏休みで賢二叔父さんに預けられている。なぜ預けられているのか? それは、亜香音の両親が離婚調停中だからだ。亜香音の親権をどちらも取りたがらず、押し付け合っている。
「自分の人生に亜香音は邪魔だ」と、亜香音の両親である賢一と明里は言う。そんな二人に、賢二は呆れて嫌気が差し、亜香音が一人で待つマンションへ帰った。
両親の前で笑わない亜香音は賢二の前でよく笑う。
亜香音は、小学生の頃に習っていたヒップホップダンスのレッスンを思い出しながら、マンションのダイニングルームでステップを練習し、騒音で賢二に叱られた。
亜香音は、ストリートダンスの歴史を語り、週一でダンスレッスンに通わせて貰えることになった。
「この次のあたしの休日に、あたしと亜香音で家庭裁判所へ行くわよ」
亜香音は離婚調停員に会うことになった。どちらに引き取ってもらいたいか要望を聞くためだ。
両親どちらに引き取られても不幸だと不安に思っていると、賢二が一緒に暮らそうと言ってくれた。
賢二はオネエで、亜香音の悲しさに寄り添う優しさと、安心感を与える強さを持ち合わせている。
亜香音は、この夏休みの出来事で、俯く顔を上げて前を見つめて生きることにした。