あらすじ
IT企業「シナジー・コア」のCEOとして、画面の向こうの数字だけを信じて傲慢に生きていた山下景司は、部下の裏切りにより一夜にしてすべてを失う。絶望の果てに逃げ延びた三重県津市の一身田・専修寺の門前で倒れた彼は、寺の住職に救われ、そこで親鸞聖人の「悪人正機」の教えと阿弥陀如来の尽きせぬ御慈悲に触れる。己の罪と向き合い、深く懺悔した景司は東京の湾岸エリアへ帰還。下町の廃工場で、壊れた家電を直して人々に施す「山下リユース」を立ち上げる。かつて自分を裏切った元部下の藤助や、愛する家族、街の困窮者たちを温かく包み込み、いつしか店は「街の駆け込み寺」と呼ばれるようになる。景司がその生涯をかけて泥の中から咲かせた「情けのリンク」は、彼が大往生を遂げた後も、孫の景太、そして未来を生きる藤助の曾孫の蓮へと、時代を超えて脈々と受け継がれていく。