あらすじ

「何もできませんし、何もしませんよ?」

神託によって聖女に選ばれた伯爵令嬢フローレンス・フィレンツェは、最初からそう告げていた。

けれど帝国は、彼女がいずれ奇跡に目覚めると期待し、第一皇子トロウの婚約者として迎え入れる。

しかし、どれだけ祈ってもフローレンスは目に見える奇跡を起こせない。
やがて炎と水の力を操る新たな聖女エリアが現れたことで、フローレンスは“偽聖女”と断じられ、婚約破棄と追放を言い渡されてしまう。

行き場を失った彼女を救ったのは、隣国トスカーナの第二王子フェルディナンドだった。

「何もしなくていい。君は、そこにいてくれるだけでいい」

そう言われ、フローレンスはトスカーナで紅茶を飲み、昼寝をし、穏やかな日々を過ごし始める。

すると、病に伏していた国王は目を覚まし、花は咲き、水は澄み、人々の心は癒されていく。

一方、フローレンスを追放した帝国では、作物が枯れ、水が濁り、病が広がり始めていた。

本当に国を守っていたのは、派手な奇跡を起こす聖女ではなく――
「何もしない」と言い続けていた、彼女の存在そのものだった。

紅茶と昼寝を愛する“何もしない聖女”が、隣国で大切にされながら、傷ついた国と人々を静かに癒していく物語。

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アルファポリス
アルファポリス2026/05/26
  • 現在の作品何もしない聖女は、ただそこにいるだけで国を癒す ――偽聖女と追放されましたが、隣国で紅茶を飲んでいたら帝国が枯れました――