あらすじ
あらすじ
令和8年4月。
68歳の整備士・山崎雄二は、愛車で夜の市街地を走っていた。少しでも安い給油所へ向かう途中、信号待ちの車内でタバコに火をつける。
桜が舞い込む静かな夜。
煙を吐きながら左窓へ目を向けた雄二は、スーパーの搬入口に不審な人物を目撃する。
黒ずくめの服装。
大きな背中。
特徴的に足を引きずる姿。
その人物はシャッター前に箱を置いていた。
一方で、警備員二人は建物の反対側へ歩いていく。
後続トラックの軽いクラクションで、信号が青に変わったことに気づく。
煙草を空き缶へ落とし、ゆっくりと車を発進させる。
しかし、次の交差点へ向かいながらも、雄二の脳裏にはあの後ろ姿が残り続けていた。
「まさか……だってあいつは――」