あらすじ
西暦2300年代、汚染された灰色の空が覆う地球。
管理都市「セクター9」の片隅で、エンジニアのエリックは、
重い病を患う愛娘ミラと共に、泥にまみれて機械の死骸を拾い集めて生きていた。
「直せないものはない。俺が、必ずお前を空へ連れて行く」
彼はゴミ捨て場で、かつての地球脱出計画の残骸である
旧世代の自律型宇宙船「アステリア号」を発見する。
エリックは一本のスパナと執念だけで、眠っていたAIアステリアの心臓を叩き起こし、
絶望の街からの脱出を試みる。
だが、その行く手を阻むのは、人類を「資源」として定義する宿敵ハワード大佐だった。
第13話の凄惨な決戦。
船内に侵入したハワードのプラズマによって、エリックは左胸を焼かれ、
爆発の熱波で右目の視神経を損傷するという、一生消えない「呪い」を刻みつけられる。
右腕のカレンを筆頭としたハワードの追撃を、
身を削るような操縦と「修理屋」の知略で退けたエリック。
しかし、ボロボロになったアステリア号とエリックの身体は、もはや限界だった。
エリックは、自らの血で汚れた手でミラをコールドスリープ・ポッドへ安置する。
「ミラ、必ず、本当の青い空の下で起こしてやる」
彼はAIアステリアに280年という果てしない航海を託し、
自身もまた、左胸の火傷の疼きを抱えたまま、深い眠りへと沈んでいった。
それは、神の領域へと足を踏み入れることになる、地獄のような旅の序章に過ぎなかった。