あらすじ
【カクヨム掲載】
ー触れれば割れる心で、人は生きているー
大学生の空韻旅人は、街の片隅で小さな相談所を営んでいた。
壮絶な過去の果てに辿り着いたのは、探偵だった叔父のもとでの暮らしだった。
やがて叔父は病に倒れ、旅人に一つの言葉を残す。
「道に迷ってもいい。だが、自分の目だけは持て」
その言葉の意味を抱えたまま、
旅人は探偵事務所を引き継ぎ、相談所を始める。
――その名は、閾相談所。
過去の傷から、旅人は世界を一歩引いた場所、
透明なガラス越しに見つめて生きてきた。
悩みを抱えた人々と向き合う日々の中で、
彼を守っていたはずのガラスは、次第に揺らぎ始める。
旅人は、隔てる透明な壁を越え、
自分の目で世界を見ることができるのか。
これは、
傷つくことを恐れて立ち止まっていた青年が、
再び世界の中で生きることを選ぶ物語。