あらすじ
僕のことをある人は神童と呼んだ。偉大なものになっていくのだろうという事を領内のだれもが疑わなかった。かくいう僕自身だって自分が天才であるという事を疑いもしなかった。その理由は単純だった。僕は言葉を覚えるよりも早くお兄様の見様見真似で剣を振り、文字を覚えるよりも早くお姉さまの見よう見まねで軽い火の粉を出す魔法を使って見せたというからだ。果ては勇者か、はたまた賢者か。お兄様とお姉さまはいつも僕がどちらになるかで口喧嘩をしていた。でも実を言うと僕が成りたかったのは、勇者でもなければ賢者でもない僕のお母さまがよく読み聞かせてくれた、ランスロット英雄譚というおとぎ話に出てくる剣聖というものにあこがれていた。あいつが僕の前に現れるまでは、、、僕がお父様やお母さまに黙って館を抜け出したあの日出会ったのは、最強の野良メイドだった。