あらすじ
現在連載中の異世界ファンタジー【RE:VERSE】に登場する法力者・佐伯真生。
これは、彼がなぜ「命を救う者」になったのか。
その祈りの原点につながる物語です。
* * *
「すべての苦しみ・痛み・涙が癒えるその日まで、私はここで、祈り続ける。」
そう言い遺して、姿を消したひとりの僧がいた。
そして、2025年――。
佐伯真生は、人の魂の奥底にある異世界《心界》で、壊れかけた命の“コード”を書き換えている。
誰にも知られず、何の手柄にもならないまま。
言葉と祈りで、傷ついた魂を何度も“再起動”してきた。
ある日、真生はひとつの微弱な信号を拾う。
それは、理不尽を飲み込み、自分を責め続けていた会社員の女性・泉水葉名のものだった。
誰にも届かないまま消えるはずだった「さよなら」。
けれど、その奥には、本人さえ言葉にできなかった本当の叫びが隠れていた。
――助けて。
真生は見つけてしまう。
彼女の痛みが、彼女自身の弱さではないことを。
その魂に刺さった棘が、現代社会の歪みによって生まれたものだということを。
生きづらさは、君の弱さじゃない。
それは、本来なら社会が受け止めるべき痛みが、個人の魂に刺さったまま放置されている“バグ”だ。
これは、誰にも届かなかった「助けて」が、最後の砦に届くまでの物語。
ーー世界のReCodeは、ひとりの魂を取り戻すことから始まる。