あらすじ

遊佐加奈の母は、重度の非典型失語症を患っている。 彼女の言葉は砕けた乱れた符号となり、この世にそれを解読できる者はもういない。 そのような母を見るたびに、煩悶、焦燥、困惑、悲しみなどの複雑な感情が、加奈を呑み込む。 母の語る言葉を、加奈は理解できない。 加奈が訴えようとしても、母もまた正しい応答を返すことができない。 病状は好転せず、もし母が一生このままだとしたら、加奈は目の前の彼女とどう向き合えばいいのだろうか。 かつて海の中を自由に泳いでいた人魚姬は、声を失ったあと、両足だけを頼りに砂浜をよろめきながら進む。 そして静かな大海へと身を投じた王子は、口からこぼれた一語一語が泡となってゆっくりと浮かび上がり、やがて海底へ沈んでいくのを見つめている。 やがて……

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カクヨム
カクヨム2026/05/25
  • 現在の作品人魚姬