あらすじ
死後の転生窓口で、水野晴人が与えられたのは戦闘チートではなく、言語理解だけだった。
転生先で彼が就いたのは、王国軍の下級書記官。魔王軍との北方戦役が終わり、三日後には盛大な凱旋式が開かれる。
だが、式典準備室に積まれていた戦死者名簿には、誤字、重複、未通知、遺族席不足が山ほど残っていた。
前世で自治体の遺族対応窓口にいた彼は、剣も魔法も使わず、名簿を直し始める。
一文字違う名前。座れない遺族。記録から漏れた補給隊員。
凱旋式当日、彼が読み上げた戦死者の名を前に、王国軍は沈黙する。
これは、帰らなかった兵の名前を、国へ返す話。