あらすじ

侯爵令嬢クラリッサは、妹の婚約式に出席するため神殿を訪れた。 白い花で飾られた祝福の場。 けれど入口に掲げられた席次表を見た瞬間、彼女は足を止める。 侯爵家関係者の席には、父の名も、妹の名も、婚約者側の名もある。 だが、長女であるクラリッサの名前だけがどこにもなかった。 父は言う。 「お前は裏方に回れ。家族なのだから、表に出る必要はない」 妹は微笑む。 「お姉様は、どこにいても家族ですもの。席がなくても祝ってくださるでしょう?」 クラリッサは静かに頷いた。 けれど、その婚約式には侯爵家代表の署名が必要だった。 そして現在、侯爵家の代表署名を正式に行えるのは、クラリッサだけ。 祝福の鐘が鳴る神殿で、彼女は静かに告げる。 「本日の席次表によれば、私はこの式に出席しておりません。出席していない者が、家門代表として署名することはできません」 これは、自分の席を奪われ続けた令嬢が、ようやく自分の居場所を選ぶ物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/05/25
  • 現在の作品妹の婚約式で、私の席だけありませんでした。ですので、家門代表の署名もいたしません