あらすじ
📜 『オリオン腕の鉄血』作品紹介文(あらすじ)
【あらすじ】
地球全権大使が成し遂げたダイソン球の栄華の真裏。
星間連盟が謳う偽りの平和の影には、地球の共産陣営のすべてが「敵役(巨悪)」として仕掛けた、血塗られた裏の歴史が眠っていた。
ロシアの最果て、シベリアの凍土で壮絶なネグレクト(育児放棄)に耐え、己の肉体と知性だけで軍人の頂点へと成り上がったスラヴ系の青年、アレクセイ大尉。彼は陣営の最高高官としてキプロス星へ赴任し、極秘のテラフォーミング惑星『タウ星系』の最高執行官を命じられる。だが、そこで彼が目にしたのは、四本の腕を持つ原住民タウ星人たちを奴隷として使い潰す、祖国の醜い搾取の闇だった。
「俺は、こんなクズどもと同じ側の人間になるために成り上がったのか?」
かつて暗闇で誰の助けも得られず怯えていた子供の頃の自分をタウ星人に重ね合わせたアレクセイは、職務をサボタージュし、戦友ボリスと共に決死の反乱を起こす。しかし、作戦は失敗。エンド・オブ・ライトの捕虜となり、絶対零度の過酷な尋問を受ける。だが、アレクセイは脳を灼かれる苦痛に耐え抜き、情報の逆流によって彼らの「自衛の事情」を知る。
「お前たちも、俺と同じだったんだな。暗闇で支配者に踏み潰され、恐怖と戦っていた」
敵の知性を認めたエンド・オブ・ライトの母星で、アレクセイは人生初の『2週間の本当の自由(観光)』を味わい、冷徹な仮面を外して本当の笑顔を取り戻す。だが、その至福の休暇は、オリハルコン総統による銀河大戦への宣戦布告によって引き裂かれた。
エンド・オブ・ライトの特務幹部として身を投じた最高作戦会議の席。アレクセイは、脳裏にこびりついていた冷徹な『地球時代の教え』の誤報を流してしまい、それが本編の外交官大使たちが拉致される最悪の悲劇を引き起こしてしまう。
そして、全ての因縁にケリをつけるための、暗黒母艦内での最高幹部会議。
アレクセイの前に立ちはだかったのは、自分を都合よく使い潰し、この銀河を戦争の地獄へハメ込んだ、あの【暴走派の元上官】だった。
真っ向から食い違う思想。二人は同時に引き金を引き、至近距離での一騎打ちの撃ち合いへと突入する。
電磁弾が肩を焼き、コンソールが爆散し、お互いの弾丸が尽きる。銃床で激しく殴り合い、互いの武器が粉々に壊れたその時、アレクセイはボロボロになった2本の拳を固く握りしめた。
「お前たちの支配はここで終わりだ。これからは、俺たちの本当の土台を作る!」
ネグレクトの怒り、軍隊の呪縛、そのすべてを拳に込めた凄絶なタイマンの殴り合いの末、アレクセイは元上官を完全に粉砕する。
上陸戦の任務をこなし、現場の総責任者として避難民やハルトたち民間人を保護するミッションの最中、ハルトとすれ違ったアレクセイは、心の中で静かに呟く。
「……フッ、また会ったな、少年」
大戦後、腐りきった地球へは二度と帰らず、独立を果たしたタウ星系でエンド・オブ・ライトとの『星間貿易商社』を設立し、最高の仲間たちと新たなハッピーエンドを掴み取った男の、鉄と硝煙のハードボイルド戦記!