あらすじ
霧島蒼、十七歳。偏差値全国トップクラスの花咲学院に通う、地味で無口な理系女子だ。
趣味は植物毒の研究と、人間の観察。学校の温室で毎朝ひとり水やりをしながら、植物が絶対に嘘をつかないことを愛している。
ある月曜の朝、温室の奥で同級生が倒れているのを発見した。
病院は「原因不明」と言う。でも蒼には、わかる。
散瞳。頻脈。皮膚の乾燥。それからもがれた葉、一枚。
——これは事故じゃない。
誰かが、計算して毒を盛った。
武器は理系の知識と観察する目だけ。蒼は学院内の闇へと、静かに踏み込んでいく。
そしてその傍らに、気がつけばいつもいる——謎めいた美男子、桐生透の影が。
蒼が毒に詳しすぎる理由を、彼はいつか聞くだろうか。