あらすじ
人と人が“調律”によって繋がる社会。
感情のずれも、会話の齟齬も、すでに過去のものになりつつあった。
学園では生徒たちが思考補助システム《CEPTOR》を導入し、互いの感覚や感情を同期させながら生活している。繋がることは当たり前で、分かり合えないことの方が異常だった。
だが鶉だけは、その輪にうまく入れない。
人工食品を身体が受け付けず、周囲と会話の速度も合わない。皆が自然に共有している“感覚”の中で、鶉だけが取り残されていく。
そんな彼に、青鸞は告げる。
「CEPTORは入れるな」
理由は教えてくれなかった。
それでも鶉は、この場所に馴染みたかった。
繋がることでしか生きられない社会で、同期できないまま他人と向き合おうとする彼らの物語。